きた日誌

2015.09.16更新

先日 ホリスティック医学協会シンポジウムに参加させていただきました。
2年ごとに開催されますが、ここ3回参加させていただいています。毎回とても興味深いお話が聞けて、楽しみです。

以前の病院でお世話になっていた緩和ケア・心療内科医 黒丸尊治先生が主催されておられます。私が統合医療、ホリスティック医学に興味を持ち、学ぶことになった 初めのきっかけをいただいた先生ですので、とても感謝しています。
いつも穏やかな、温かい雰囲気の先生です。



各講演者の方々はバラエティーに富んでいて、お話も面白く、自身の診療に、自分の生き方に、とても有意義でした。


川畑のぶこ先生は、サイモントン療法の第一人者といっていい存在です。がん患者さんと、そのサポーターのための心理療法で、最近ではがんだけでなく、ストレスを抱える心的な疾患にも、その治療法の適応が広がっています。
耳鼻科一般外来で、継続的にがん患者様を診るのが難しいため、サイモントン療法はしっかりと学べてはいないのですが、先生のお話を聞いて、あらためて患者さんとの関わりの面からも、サイモントン療法に興味を持ちました。

『病気はメッセンジャー』であるという考えは、どの疾患にもあてはまりますね。



竹林直紀先生は、同じ関西で開業されておられます。特に、ご自身の留学時に学ばれたマインドフルネスも診療に取り入れておられ、ここ数年マインドフルネスに関わらせてもらっていることからも、いいご縁をいただけたと思っています。

『You see the world through how you feel!』私たちは、自身が感じたようにものごとを見ている(訳が下手ですが...)先生が示された、このことばが印象的でした。



岸見一郎先生。ご講演をお聞きする前から、先生の「嫌われる勇気」は読ませていただいていましたが、アドラー心理学のすべてが入っている本で、とても興奮して読みました。そういう考え方があるんだな、と医療者として、日々患者さんと向き合っていると、うなずけることがたくさんあります。

先生のお話はとても面白く、独特の雰囲気、間は、話を聞くものを惹きつける、素晴らしい講演でした。
いろいろと心に残ることばがありましたが、

『臓器言語』アドラーも、身体の各臓器が、それぞれの人がもっともよく表現できる言語=臓器言語だといっているんですね。患者さんのことばはもちろん、患者さんの臓器が発することばを、私たち医療者はしっかりと聞く必要があります。



心屋仁之助さん。テレビで見たり、書籍は読ませてもらっていましたが、実際もほとんどかわらない、思っていた通りの方でした。ご本人の講演はもちろんですが、台本のないやりとりの中でも、的確に話をされる心屋さんの、頭の回転の速さをあらためて実感しました。

『「病気」は「自分らしく生きていない」のサイン』
まさにその通りですね。意識して、または無意識のうちに、がんばってしまう自分。がんばらないと評価されないと思いこんでいる自分。がんばらないと価値がないと思っている自分。特にそれは、多くの方に共通して、母親に認められたい・ほめられたい、母親を悲しませたくない、という思いに起因している...。

もっと自分らしく、もっと人に迷惑をかけまくって、わがままにやりたいことをやって生きる。
程度問題もあるし、意味を取り違えるといけませんが。
自分らしく生きることも、思うより難しいものです。



ほんとうに多くの学びがありました。診療として、自分の生き方として。
ありがとうございました。

投稿者: きたにし耳鼻咽喉科

2015.09.11更新

鼻やのどからは、いろんな異物が侵入してきます。
細菌やウィルスはもちろんのこと、花粉症の花粉や、ホコリ、ダニ、さらにいうと食べ物も、身体にとってはとりあえずは異物といえるでしょう。

こうして、いろんなものが入ってくる鼻やのどには、異物をキャッチしたり、そこで病気を食い止める構造があります。その一つが、扁桃というリンパ組織ですね。大人の方でしたら、「小さいころに扁桃腺を手術でとった」というご経験をお持ちの方もおられるかもしれません。口を開けると見える扁桃が口蓋扁桃、鼻のおく・つきあたりにある扁桃は咽頭扁桃、舌の付け根あたりにある扁桃は舌(根)扁桃などと呼ばれます。

(HPより)


本当は、異物などから身体を守って、細菌やウィルスと戦ってくれる扁桃ですが、それはすなわち「戦場」にもなります。扁桃が炎症をおこすと、のどが痛い、鼻の奥が痛い、熱が出る、などつらい症状起こってきます。

さらに面倒なのは、口蓋扁桃、咽頭扁桃が慢性的に炎症を繰り返していると、扁桃自体はそれほどひどい症状がないのに、そこが原因となって離れた、他の臓器(皮膚、関節、腎臓)に病気が起こってくる場合があります。
これを "病巣感染" と呼び、特にこの疾患として有名なのが、腎臓の病気 IgA腎症です。

扁桃だけでなく、歯科の炎症や副鼻腔炎なども、この病巣感染の原因になることが多いといわれています。

上咽頭は、鼻の奥、鼻とのどの境目あたりになるため、一般に内科、耳鼻科を受診しても、「問題なし」「異常なし」といわれることが多いのですが、しっかりと観察すると、さらに耳鼻科でファイバー検査などを行うと炎症が疑わる場合があります。また、鼻から綿棒などを入れてこすってみると、炎症がある場合は出血が見られます。このような場合には、上咽頭炎が考えられます。

慢性上咽頭炎は、病巣感染として、腎疾患その他の原因として重要ですが、鼻の不快感、痛みだけでなく、後鼻漏、頭痛、めまい、耳鳴り、のどの異物感、声枯れなど、すべてとはいえませんが、これまで異常なしと診断されてきた症状の原因になっている可能性がある病態です。これから、さらにその診断や治療の重要性が高まってくると思われます。

今回出席した日本口腔咽頭学会では、ご指導いただいている堀田修クリニックの堀田先生のご講演がありました。



特に、子宮頸がんワクチンの副作用でお困りの方が、上咽頭炎治療によって改善したケースを報告されました。
耳鼻科医がほとんどの学会の中でのご発表でしたので、あらためて耳鼻科医が、その重要性を認識することになったかと思います。

今後、慢性上咽頭炎がきっちりと理解され、お困りの患者さんが救われる一つの端緒になることを期待しています。




投稿者: きたにし耳鼻咽喉科

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