年に一度だけ、注射(筋肉注射や鼻の中に直接注射)をして、花粉症を治療する、という場合、多くはステロイド剤というホルモン剤を使っています。ステロイドの、炎症を抑えたり、免疫抑制効果を期待して、こうした治療が行われているようです。
しかし、ステロイド剤は、ご存知の方も多いと思いますが、種々の副作用があり、基本的にこうした治療はおすすめしていません。これまで治療を受けて異常がないので大丈夫、という方も、回数が増えていくと、副作用出現の危険性が増していきます。このため、ステロイド注射による花粉症治療は、当院では行っていません。患者さんを集める目的で、一部の耳鼻科、内科の医師が行っているのが現状で、耳鼻咽喉科の学会においても、すすめられない治療とされています。
また、他施設で治療を受けた患者さんからお聞きするのは、「どういった注射か知らなかった」「副作用などは説明をうけていなかった」ということです。副作用が出現した場合、治療をうけた病院には受診されない患者さんが多いので、治療をしている医師は副作用が出現したことを知らずに治療を続けていることもしばしばです。
これは、やはり医師側の説明不足、知識不足とともに、患者さん側もしっかりと自身が受けている治療を理解していただく必要があると感じています。
急性中耳炎が治りにくくなっているのは、耳鼻科医にとっても大きな問題になっています。特に、治りにくい要因として、1.3歳未満 2.小さいころから何度か中耳炎にかかり薬を飲んでいる 3.保育園に通園している 4.ぜんそく、アレルギー、ちくのうなどももっている 5.混合栄養、ご両親の喫煙などの環境要因、などが考えられています。さらに薬も菌の耐性化がすすみ、効きにくくなっています。われわれも、一人ずつの状況にあわせて、治療を行っています。
お話だけからは、正確な診断は難しいので、特に症状が徐々に進んでいる場合や長期間にわたって続いている場合は、耳鼻咽喉科・内科などの専門医を受診されることをおすすめします。耳鼻科では鏡やファイバーを用いた鼻やのどの診察(特に痛みは伴いません。ご安心ください)、くびの視触診(所見によってエコーなど)、また必要に応じて血液検査ほかを行い原因となっている病気がないか調べることが多いと思います。耳鼻科は痛そう、怖そうとか、何か病気といわれるのがこわい、とおっしゃる方も多いのですが、検査・診察後は、診てもらってよかった、もっと早くくればよかった、というお声を聞きますので、心配せず受診してください。
めまい、ふらつきの原因は非常にはばが広く、めまいが一度あったということだけでメニエール病という診断は難しいと思います。睡眠不足、疲れ・ストレス、血圧異常、足・目・脳の病気などめまいの要因は様々で、内科・神経内科などに通院されている方も多いと思います。中でも、「まわる」タイプのめまいや難聴、耳鳴りを伴う場合などは耳鼻科に関連した病気であることも多く、耳鼻科での診断・治療をおすすめします。特にめまい・ふらつき症状は、きっちり病気の経過をお聞きする問診が大切になりますので、当院でもなるべく時間をおとりしてお話をお聞きしています。
症状からは、アレルギー性鼻炎、ちくのう症などを疑います。鼻の症状がつよい場合は、やはり耳鼻科の受診をお勧めします。問診や鼻の中の観察(粘膜の状態や鼻みずの性質)、またレントゲン写真やアレルギーの血液検査など、状況に応じて検査を行い診断してまいります。当院でも治療は、内服薬、点鼻薬、鼻の処置や吸入の他、花粉症のレーザー治療、ちくのう症の鼻たけ切除など外来で行える処置を行う場合もあります。ただし、市販薬(のみ薬や点鼻薬)は、長期に使うと、かえって状態が悪化する場合もありますので、使用法に注意し、耳鼻科受診をご検討ください。
のどの痛みの原因はたくさんあります。その中で、多いのは咽頭炎、扁桃炎、喉頭炎といった炎症によるものです。細かくは菌による炎症、ウィルスによる炎症などに分かれます。市販薬は一時的に症状をやわらげることはできますが、原因自体の治療ではないことも多く、耳鼻科、内科での診察をうけられた方がよいと思います。特に、扁桃炎や喉頭炎がすすむと、食事がとれなくなったり、呼吸が苦しくなるなど、危険な場合もありますので、がまんしたり痛み止めを服用するだけでなく、早めに受診してください。他の質問の返答にも書きましたが、耳鼻科の処置、検査は、説明をお聞きになれば、心配なく受けていただけるものばかりですので、ご安心ください。
魚のほねがささったと来院される方の多くは、「ごはんを丸飲みした」「酢でうがいした」といってこられます。しかし、なるべくささった後は、何も食べずそのまま診察にきていただくのが、一番よいと思います。通常、さかなの骨がささるのは扁桃あたりが多く、口をあけていただくだけでほねが見えて、取れることが多いのですが、ごはんを飲んだりすることで、骨が舌の付け根よりさらに奥にささることがあります。そうなると、ファイバーを使うなど、取りにくい場合があります。
特に、小学校低学年くらいまでは、よく鼻血を出す子がいます。鼻の中の粘膜は、入り口に近いところに血管が集まっていて、鼻をさわる(「ほじる」という方がわかりやすいでしょうか)ことによる刺激できずがつき、出血をくりかえすことが多いようです。ほとんどの場合、心配はないのですが、鼻血を繰り返したり、出血量が多いときは、耳鼻科の診察をうけて、処置や説明を聞かれると安心できると思います。家や学校でのとりあえずの対処としては、小鼻を両手でつよく押さえて圧迫する(臭いときに鼻をつまむ状態)のが、一番よい方法です。ティッシュなどをつめても止まることもありますが、ティッシュを出し入れをすることで、かえってきずをつけて出血が止まらないこともありますので、ご注意ください。
よく、かぜで耳鼻科にいってもいいですか?や、耳鼻科でかぜ薬をもらえますか?、という質問を受けることがあります。かぜ、というのは、いろんな症状や病気をあわせた病名です。したがって、正確にはかぜ薬というのも存在しません。鼻水を止める薬、せきを止める薬、熱を下げる薬、などをあわせて、わかりやすくかぜ薬といっているだけなのです。
もちろん、耳鼻科ではかぜの患者さんをたくさん診ていますので、診察にきてください。特に、耳がつまる・痛い、鼻がでる・つまる、のどが痛い、せきが続く、といった症状は、耳鼻科で診察させていただきます。また、お薬も、それぞれの症状にあった処方をしますので、心配ありません。
耳鼻科では、鼻みずを吸い取る、のどに薬をつける、鼻やのどの吸入をする、といったような、調子の悪い部分を直接処置しますので、効果があるようです。さらに、大人の方だけでなく、幼小児の方も耳・鼻そうじや吸入を行います。
もちろん結構です。小さいお子さんは、症状を訴えることができない場合も多いので、耳を痛がる、耳をよくさわるなど、症状があるときはもちろん、耳垢がたまりやすい場合や、返事をしないときがある、といった気になることがあるだけでも、受診していただけばよいと思います。中には、耳垢がたくさんつまっていたり、滲出性中耳炎といって、耳の痛みのない中耳炎になっている場合もあります。
また、おうちで耳掃除をされると、急にお子さんが動いたり、周りのご兄弟があたって、耳をついてしまったり、危険な場合もありますので、なるべくなら、しっかりした耳掃除は、耳鼻科を受診されるのがよいでしょう。
特に小学校低学年あたりまでは、身体の抵抗力が不安定であり、集団生活によって菌やウィルスに感染する機会も多く、かぜをひきやすいといえます。小児科、耳鼻科、どちらにいけばよい、という答えはありません。耳鼻科医からいいますと、
1.耳垢があれば掃除できますし、耳をよく観察できますので中耳炎をおこしていないか、おこしていればその処置をおこなえます。
2.鼻がかめないお子さんは多いので、鼻を吸ってすっきり掃除ができます。
3.のどの状態、赤さ、腫れなどをよく観察して診断できます。
など、耳鼻科にきていただくメリットも多いと思います。「耳鼻科は痛そうでこわい」という方もおられるでしょうが、初めに痛くないことがわかれば、自分から耳鼻科で鼻のそうじをしてほしい、というお子さんもおられるくらいです。心配されずに来院ください。ただし、高熱が続いていたり、食事があまりとれなかったり、下痢や嘔吐を繰り返したり、全身的な問題がある場合は、やはり小児科の先生にご相談したり、ご紹介したりすることも、もちろんあります。最終的には、そのお子さんにとって一番いい治療を、各科の医師が連携しあって、行っていくことが大切だと思います。